現実逃避

現実から逃れることでしか今を生き延びる術がない時だってある。
それは誰のせいでもない。
ただの巡り合わせ、振られたサイコロの目でしかないかもしれないカオスに暮らす人間に対抗出来る唯一の手段なのかもしれない。
“個”の責任て、いったいどこまでなのだろう。法廷では必ず出さなければならない答えなのだろうけれど、本来は出せないもののような気がする。
誰かの責任にしなければ、何かのせいにしなければ収まらない感情のやり場、スケープゴート探し。
その魔の手から逃れるのは、やはり現実世界を眺められる星の腰掛にでも座って、心を一粒流すしかないのかもしれない。
ただの感傷ではなくて。ただとてつもなくそれがやりきれない時があって。