人は脳を体外に進化させてゆくのか

視覚について【アフォーダンス理論】というものがある。


大辞林によれば【視覚】とは、

外界からの光を刺激として生じる感覚。ヒトでは光が目の網膜を刺激し、そこに生じた神経興奮が大脳の視覚野に伝えられたときに生じる。

と、なる。


アフォーダンス理論によれば、【視覚】は目に入ってくる光の刺激としての情報ではなく、自分とその周囲の環境との間に存在する、例えば狭い通路があったとしてそれを見ている時には、「この幅は自分の体が通れるだろうか?」という情報を通路が提供しているものを受け取っている状態にある、ということになる。


インターネットが誕生して、そこに無数の情報が存在して、そこから自分にとって必要なもの価値のあるものを見つけ出すために様々な検索方法が生まれ、そして今もより良きものへと進化している。
ただネット上に情報があるだけなら自分にとって何の意味もないが、それが自分と関連付けられた時初めて情報としての意味をなす。
そして、検索サイトを使うことによって、アフォーダンスと似たようなことを行っているのではないだろうか。


その情報検索方法も、RSSリーダーが登場したり、テキストだけはなく音声、ひいては映像までもその方式で収集出来るような時代がもうすぐやってくる。


情報化社会、と言われて久しい中、人は体内にある脳だけを使うのではなく、物理的につながっているのでもない第二の脳をこういう形で手にしていくのだろうか。
そして、いずれはダイレクトに接続させることが出来る時代がやってくるのだろうか。


いづれにしても、体内の脳だけでは処理しきれない、あるいは処理する必要のないものは外で、という方向へ向かっているような気がする。