組織の辿る道

今日、一連の不祥事を受けて国民の声に答える海老沢会長も出席しての“生”放送番組「NHKに言いたい」があった。

番組の内容自体は一旦横に置くとして、ここ数年、企業の不祥事隠し、隠蔽工作が明るみ出る事態が相次いでいる。
企業であれ、団体であれ、行政機関であれ、人間の集団である“組織”であるなら必ず表出する問題がそこには内在しているように思う。

“組織”とは、まるで人間の体のようであり、トップから下への流れは生体の各器官への流れのようであり、より下部組織へと繋がり全体として統制されたものとして存在しているのではないかと思う。
そして、今夜の番組でも話題になった“風通し”という言葉はまさしく人間でいえば血管に当たり、血行不良になれば臓器の働きが悪くなるように、風通しが悪ければ腐敗の温床を作り上げることになるのではないだろうか。
これを防ぐのは活性化させるのが一番であり、その方法は様々あるだろうが、ここで番組の内容に戻るとして、“組織”であるなら必ず避けられない問題がある、という視点が抜けていたように思う。
組織は必ず腐食してゆくのである。
これは、誰だからという“個”の問題ではなく、この自然界の法則として。
そういうものである、という前提に立って議論しなければ表面的なものに終わってしまうのではないかと思う。
人間に寿命があるように、組織にも寿命がある。
それにどう対処して行くのか。
ずっと考え続け意識し続け対処し続けていかなければならない、自らも組織の総体である人間の課題なのではないだろうか。

海老沢会長一人の進退問題に固執するのではなく、これを契機に組織としてのNHKがどう姿を変えて存在し続けていけるのかにもっと目を注いで発展的な議論が続くことを願いたい。
個人的には、NHKにしか出来ない高度な技術、情報を駆使した内容の放送を楽しみしているのだから。